小さい子の大冒険「御宿かわせみ かくれんぼ」
本作は、かわせみシリーズの十九冊目です。
レギュラーメンバーに子供が生まれ、だんだん賑やかになってきました。
収録作の「花世の冒険」は、宗太郎・七重夫婦の長女、花世が主人公。
弟が生まれ、淋しい思いをしがちな花世は、せっせとかわせみへ通います。
ここなら、東吾やるいを始めとする皆が、花世を可愛がってくれる。楽しいことばかりで、毎日でも、かわせみへ行きたい花世。
ある日、こっそり一人で歩いてかわせみへ。
無事に成功して皆を仰天させた彼女は、後日また、同じことをしようと出掛けますが……。
小さな女の子視点の物語は、ハラハラドキドキの連続。
迷子になり、知らない場所をウロウロし、挙げ句に、知らない男に拐われてしまいます。
閉じ込められた子供達は、どこへ連れていかれるのか。
迷子になった花世視点と、探す大人視点が、交互に入れ替わります。
子供好きで優しい渡世人「髭モジャモジャ」と花世のやり取りは微笑みく、とても可愛いです。
収録作「かくれんぼ」では、花世と源三郎の息子・源太郎が事件に遭遇します。
子供達の活躍は可愛いく楽しく、東吾達大人メインの話とは、また違った楽しさ。
すっかり父親になった宗太郎も頼もしく、まさに大河シリーズを思わせる内容です。