男の身勝手「御宿かわせみ 恋文心中」

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本作は、かわせみシリーズの十五冊目です。

るいと東吾が晴れて夫婦になる「祝言」は、記念的作品。

そして表題作は、東吾の新たな職場が舞台。

時代の変化を受けて、幕府が設立した軍艦総練所へ通うことになった東吾。

少ないながら禄も貰い、出世の道が開けてきました。

勝海舟にも目をかけられ、船の上で活躍し始めます。

そんな中、同僚から相談を持ちかけられた東吾。

聞けば、女性絡みで脅迫されているとか。

総練所に通う前、彼は幼なじみの未亡人と忍ぶ恋をしていました。

相手は大名の奥方で、夫が死んだ今は、淋しい場所で尼のような暮らし。再縁も出来ない決まりで、窮屈な立場だとか。

そんな中、幼なじみの彼と道ならぬ関係になってしまったのです。

今は切れているものの、誰かが彼が送った恋文を種に、奥方を脅迫してきました。

スキャンダルが表に出たら、せっかく開けた出世の機会が台無しだと、役人の弟である東吾に泣きついてきた同僚。

放っておけず関わったものの、当事者である彼は

「もう関わりたくない」

と、他人任せな態度ばかり。

結局真相は、別れたくない未亡人の仕組んだ、狂言だったと分かりますが。

自分で撒いた種を刈ることも出来ない、無責任な男の姿に腹が立ちます。

悲惨な結末はある意味、当然なモノでしたが……。

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