遅過ぎた兄弟の再会に涙「御宿かわせみ 雨月」

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本作は、かわせみシリーズの中でも、特にオススメな巻です。

なぜなら、大好きな話「雨月」が収録されているから。

主人公達は菊見の帰り、寺の境内で一休みしている男と出会います。

茶の行商をしながら、子供の頃、火事がキッカケで生き別れた兄を探しているのだとか。

違う相手に引き取られ、消息の分からない兄を探す姿に、かわせみの皆は深く同情します。

早速人脈を生かして探しますが、何十年も前のことで、手がかりは見つからず。

同じ時期、大名家に忍び込む盗賊が現れ、捜査は難航。

ふとしたことから、かわせみの皆は、犯人が行方不明の兄ではないかと気付きます。

寺の住職という立場を利用して、檀家に忍び込んでいるのでは?と。

せっかく兄の手がかりが見つかったものの、弟に教えて良いか悩みますが、捕らえた犯人は意外な人物でした……。

お互いに探していたのに、巡り会えなかった兄弟のすれ違いが、なんとも切なく……。

悪の道に落ちても、兄に会いたい気持ちは無くさなかった、弟の心情に胸打たれます。

もっと早く会えていれば……そう言って泣いた兄が、自分の手で渡した数珠。

例え処刑されても、僧侶の兄が彼を忘れず、毎日弟の為に祈ってくれるでしょう。

すれ違い続けながら、ギリギリで再会出来た兄弟の絆に、暖かく、切ない気持ちになります。

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